滝のみどころ
「熊のすべり台」というと何を想像しますか?
動物園にある熊の遊び場ではありません。
実は滝の名前なんです。
滝というと、〇〇滝というように最後に「滝」がつくのが普通ですがこの滝には滝という文字がつきません。
非常に珍しい名前ですよね。
私も行ってみるまで、知りませんでした。
この珍しい滝は、日光国立公園那須岳の北に連なる標高1900m前後の峰を源流とする阿武隈川の支流鳥首川にかかっています。
ここを流れて直ぐに阿武隈川へと合流します。
熊のすべり台は、水がまっすぐ下に流れ落ちる直瀑タイプの滝ではなく、岩はだの形状に沿って末広がりに流れる分岐瀑タイプの滝です。
直瀑タイプの滝と違って、巨大な一枚岩の岩肌の上をサラサラ流れる水は気持ちよく、心を和ませてくれます。
熊のすべり台は、高さ10m、幅約15mはあり、正に名前のとおり熊がすべり台として遊ぶにふさわしい大きさです。
ネーミングした方に敬意を表します。
この滝は、阿武隈川の渓谷美をたっぷり堪能できる西郷村の西の遊歩道の奥にあります。
西の遊歩道は、全長3.6km、所用時間約2時間のハイキングコースです。
この遊歩道から行ける滝は、熊のすべり台の他に「一休みの滝」、「夫婦滝」などがあり、滝好きな方にとってはいろいろ楽しめるコースです。
特に新緑や紅葉の季節は、絶景が楽しめます。
もちろん、駐車場、キャンプ場、トイレなどが整備されていますので、安心して自然を楽しむことができます。
滝への道のり
西の郷遊歩道に行くには二通りの方法があります。
国道289号の老人センター前付近から入る方法と反対側の雪割橋から入る方法があります。
車で行くには、雪割橋の手前にある駐車場に車を止めて遊歩道を歩くことになります。
西の郷遊歩道は全長3.2kmで所用時間2時間位かかりますので、時間がない方は更に車を進め、雪割橋を渡って行くと語らいの森付近にも駐車場があり、こちらにも車を止めることができます。
私は、秋の紅葉の季節に訪れたので遊歩道をたっぷり散策したくて雪割橋の手前にある駐車場に車を止めました
二ヶ所ある駐車場はどちらに止めても無料です。
紅葉シーズンなのでそれなりに車はありましたが、待つことなく駐車できました。
駐車場を出て最初に渡るのが、甲子高原の景勝地で新緑・紅葉の名所と言われる雪割橋です。
実際に渡ってみると雪割渓谷が見渡せます。
でも、私の感想としては、橋の上から望む景色より、西の郷遊報道歩道の雪割橋を止めました望む展望台からの眺めが素晴らしいです。
でも、訪れたた時は雪割橋の架け替え工事中であり、ちょっと風情がなかったのは残念です。
雪割の名称は、一面銀世界となる雪景色を割るように阿武隈川が流れることに由来すると言われます。
奥の駐車場や西の郷遊歩道につながる舗装道をしばらく歩くと、雪割橋展望台に着きます。
紅葉のシーズンを狙っていったので、この変の紅葉は本当に見事でした。
雪割橋展望台から先の遊歩道は陽が当たる明るい森で、赤や黄色の紅葉が陽に透けて見えるので紅葉がひときわ輝いて見えます。
阿武隈川の川底は以外と深く、この変の遊歩道からは未だ見えてきません。
今回、この西の郷遊歩道に来た目的は、紅葉と渓谷美、そして幾つかの滝を見て回ることでした。
少し進むといよいよ渓谷が下の方に見えてきます。
この辺は阿武隈川とその支流である鳥首川が合流するところで、鳥首川に沿う遊歩道からは、おろちが滝、夫婦滝、一休みの滝などを見ることができます。
実際は、これらの滝を見て回った後に熊のすべり台にいったのですが、一休みの滝周辺の詳細は、別ページの「一休みの滝」をご覧ください。↓
「渓谷美も素晴らしい!豪快な雰囲気の一休みの滝(福島県、西郷村)」
前おきが長くなりましたが、これから熊のすべり台に向かいます。
位置としては、一休みの滝より上流にあります。
遊歩道を行くと、遊歩道の分岐点がありそこに熊のすべり台への案内板がありますので、それに沿って進みます。
10分程度歩くと、熊のすべり台に到着します。
渓谷は急に深くなっているので、はしごのような急な鉄階段を使って降ります。
急なのでちょっとしんどいですが、つかまりながら慎重に降りれば大丈夫です。
降りれば素晴らしい紅葉の中に変わった形の滝が流れていました。
本当に熊が遊べるようなすべり台のような一枚岩の上を水が流れています。
一枚岩の岩は巨大で迫力があります。
回りは広葉樹の森で、葉は黄色く染まりその間から見える熊のすべり台の流れは美し過ぎる!
いろいろな角度から写真を撮りまくり、しばし滝との語らいです。
十分滝を堪能した後は、先ほどの分岐点まで戻り熊のすべり台の観瀑はおしまいです。
■所在地
■駐車場(2ヶ所、無料)
■公衆トイレ:あり
■滝の種別・落差
分岐瀑、高さ10m、幅15m
熊のすべり台へのアクセス方法
<電車の場合>
JR東北新幹線新白河駅から新甲子温泉行きバスで約30分、老人センターで下車
<車の場合>
東北動車道白河ICを降りて、国道289号で約15分
・問い合わせ
周辺観光
・ファミりーに人気、キョロロン村
雪割橋から10分程度で行ける新甲子温泉には、ファミリーに人気のキョロロン村があります。
ちなみに、「キョロロン」とは白河甲子高原に生息するツグミの仲間のマミジロの鳴き声なんです。
大自然をテーマにした広い園内には、ドキドキスライダー、ゴーカート、ボルダリング、コテージ、キャンプ場、水着で入るファミリー温泉などアウトドア施設が完備しています。
子ども連れの方に人気の場所です。
季節によっては、土日、祝日しか営業していないことがありますので、確認のうえ
お出かけください。
料金は、利用する施設によって異なります。
■所在地
〒961-8071
■TEL.0248-36-2231
・塔のへつり
「へつり」とは、川岸が切り立った崖のことで、長い年月をかけて浸食と風化を
繰り返して形成されたものです。
浸食された奇岩が塔のごとくそそり立っているので、この名があります。
渓谷が美しく、国の天然記念物にも指定されている人気のスポットです。
塔の形をした断崖まではつり橋が架けられてているので、断崖内部の一部を見学することができます。
塔のへつりは、雪割橋から国道289号経由で約40分のところにあります。
見学は自由です(無料)。
■所在地
〒969-5204
■TEL.0241-69-1144
■問合わせ先