関東・中部・東北周辺の滝巡り案内

滝はなぜか神秘的だ!滝のある空間で五感をすませば色々なことが 楽しめ、ほっとした気持ちになる。 関東・東海・中部・東北周辺の巡った滝を中心に、滝の見どころや訪れた時の感想、アクセス方法などを案内しています。

滝巡り 中部、数々の滝が織り成す美しさの宝庫、宇津江四十八滝(高山市国府町)

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宇津江四十八滝の一つ、王滝

(宇津江四十八滝の一つ、王滝)

滝の見どころ

岐阜県高山市国府町にある宇津江四十八滝は、標高1200mの滝上川を源とする四十八滝川を流れ落ちる滝郡で、大小13の滝があります。

滝が48あるということではなく、四十八はこの地に伝わる「よそ八伝説」にちなんでいるそうです。

良く整備されていて、県立自然公園「宇津江四十八滝」にもなっています。

全国自然100選地、岐阜県名水50選地にも選定されていて、水もきれいで滝を見ながら四季折々の自然が楽しめるのが魅力です。

宇津江四十八滝県立自然公園

自然の造形ながらまったく良くまとまっており、滝の入り口から一番上にある上平滝まで880m程度をハイキングができるように遊歩道が整備されています。

標高差は180m位ですので、あまり登り坂を意識しないで上の滝まで行くことができます。

所用時間は約1時間程度。

まるで箱庭のようにいくつもの滝があって、それらが一度に見ることができるので滝好きな人にはたまらない魅力です。

ブナ、ナラ、クルミなどの木々の中の渓流に沿って上っていくと、いろいろな表情を見せた滝が次々と現れてきます。

13ある滝の中で一番大きな滝は、王滝で高さが18.8mあります。

それぞれの滝は、次の章で詳しく説明します。

滝の入り口付近にはレストハウスもあり、食事ができます。

また、無料の杖も貸し出されているので、足に自信のない方は利用されてみてもいいかもしれません。

料金は清掃協力金という形で納めることになっています。

滝の入り口付近には、四十八滝山野草花園、キャンプ場・林間広場もあり、駐車場や多目的トイレも完備。

新鮮な空気、緑いっぱいの自然の中で楽しく過ごすことができる場所です。

滝へのみちのり(紀行文)

見ごたえのある滝を探していたところ、岐阜県高山市にある宇津江四十八滝があることを発見。

滝を一つでも多く見て歩きたいと思っているところへ、これが見つかったので是非行ってみることにしました。

なにしろ、ここに行くだけで13もの滝がいっぺんに見ることができるのですから。

緑いっぱいの自然が美しいというので、6月の季節を選びました。

宇津江四十八滝がある隣の四十八滝山野草花園のクリンソウが満開になるというのも魅力でした。

自宅からは車で出発。

中部縦貫自動車道の高山ICより、国道41号、県道479号経由で30分で宇津江四十八滝の駐車場に到着しました。

駐車場は4箇所あり、広くかなりの台数(普通車100台)が停められます。

私は、総合案内所やトイレがある駐車場に停めました。

滝に一番近い駐車場は、「レストハウスしぶき」がある駐車場ですが、こちらは普通車が10台程度しか停められません。

そう離れているわけでもないので、手前の駐車場でもあまり変わらないと思います。
                                                                                      
駐車料金は、無料です。

駐車場から滝巡りの出発点までは、30分程度歩きます。

宇津江四十八滝の出発点

(宇津江四十八滝の出発点)

滝巡りの出発点には、「清掃協力金」という名目の券売機がありそこでお金を支払います。

大人200円、小人100円です。

(清掃協力金の券売機)

いよいよ滝めぐりハイキングの出発です。

以下、下から順に見ていった滝の印象について説明していきます。

最初に出会う滝は、魚返滝です。

・魚返滝(うおがえりたき)

魚返滝(うおがえりたき)

(魚返滝(うおがえりたき))

”高さ6.0m、幅1.5m

これより上流には魚が上れないほど険しいのでこの名前がつけられました。”

(滝の名付けの由来は、宇津江四十八滝のパンフレットからの引用)


そんなに大きくなく、渓流っぽい感じです。


更に上流へ100mほど進むと、

・朝霧滝(あさぎりたき)

朝霧滝(あさぎりたき)

(朝霧滝(あさぎりたき))

”高さ2.5m、幅4.9m

朝立ち込める霧が、美しく流れるように見えることから名付けられました。”


この滝も穏やかな流れの滝で、岩盤の上を滑るように流れるなめ滝タイプの滝です。


更に50mほど進むと、

・平滝(ひらたき)

平滝

(平滝(ひらたき)手前))

”高さ3.0m、幅4.5m

地形的に平らで、滑らかに流れることから名付けられました。”

本当に岩盤の上を水がなめるように流れていて、感じがいいです。

手前から平滝、函滝、一番奥に上段滝が見える

(手前から平滝、函滝、一番奥に上段滝が見える)

この位置は非常にいい位置で、平滝の上流の滝の函滝、その上流の上段の滝が三段で見えるので、ベストスポットのような気がします。

その美しさに感動です!!


平滝から40mほど進むと、

・函滝(はこたき)

函滝

(函滝(はこたき))

”高さ11.5m、幅4.5m

箱から取り出した剣が突き立っているように見えることから。”


剣が突き立っているようなとは、一条の流れを指しているのでしょうか?

こじんまりとまとまった美しい直瀑です。


更に50mほど進みます。

・上段滝(じょうだんのたき)

上段滝

(上段滝(じょうだんのたき)

”高さ10.1m、幅6.8mの滝

三つ見える滝の一番上にあることから。

滝の左側には、四十八滝不動明王が祀られている。”


平滝のところから見えた三段の滝の一番上流の滝で、近くで見ると二段の段瀑になっています。

三つの滝をそれぞれ近くで見ても中々味わいがあります。


更に70mほど歩くと、

・梵音滝(きよのきたき)

梵音滝(きよのきたき)

(梵音滝(きよのきたき))

”高さ5.7mの滝、幅3.5m

お経を読むときキヨノ木をたたき拍子をとるが、その音がこの滝の音に似ていることから。”


この辺は木々の緑も美しく「ゆうもや渓谷」と呼ばれ、深山幽谷の趣もあり好きな場所です。


ここから100m歩いていくと、

・王滝(おうたき)

王滝

(王滝(おうたき))

”高さ18.8m、幅7.0m

滝群の中でも特に優れて大きいことから。”


落差が大きいので、水しぶきが豪快に流れ落ち迫力があります。

二段の段瀑です。


ここから80m進むと、

・銚子口滝(ちょうしくちのたき)

銚子口滝(ちょうしくちのたき)

(銚子口滝(ちょうしくちのたき))

”高さ10.8m、幅2.0m

銚子に柄のついた器でお酒を注ぐように見えることから。”


確かに銚子口から流れ落ちるような、静かさのある滝です。


更に50m進むと、

・障泥滝(あおりたき)

障泥滝(あおりたき)

(障泥滝(あおりたき))

”高さ9.8m、幅6.5m

乗馬のときに馬の腹にあぶみで傷がつかないように巻く布をあおり(障泥)と呼びますが、この布のように幅広く見えることから。”


黒っぽい岩盤の上を幅広く、滑り落ちるように流れる滝です。


ここから50m進むと視界が開き、展望台に着きます。

障泥滝(あおりたき)

(宇津江四十八滝 展望台からの眺め)

やや雲がかかっていますが、遠くに見えるのは北アルプス連峰です。

木製のベンチもあり、晴れた日なら北アルプス連峰を見ながら一休みすることができます。


案内所でもらった宇津江四十八滝のパンフレットによれば、更に進めば「盌水滝(わんすいのたき)」があるように見えるのですが、往路では見つかりませんでした。

遊歩道は一部に往路と帰路で違う道があり、盌水滝は唯一往路では見ることのできない滝であることが分かりました。


展望台から40m位進と、

・瑠璃滝(るりたき)

瑠璃滝(るりたき

(瑠璃滝(るりたき)

”高さ6.0mの滝、幅4.0m

差し込む太陽が瑠璃色に輝く神秘的な滝。

このあたりは、ブナの原生林が美しい。”


滝つぼと周りの岩肌が美しい滝です。

その向こうには、布晒滝(ぬのさらしのたき)も見えて、連続的に美しい流れとなって
います。

瑠璃滝と連続して流れているのが、

・布晒滝(ぬのさらしのたき)

布晒滝(ぬのさらしのたき)

(布晒滝(ぬのさらしのたき))

”高さ3.0m、幅10.5m

幅が広く、真白い布をさらしたように見えることから。"


文字通り広い岩盤の上を滑るように水が流れています。


更に80mほど進むと最後の滝が現れます。

・上平滝(かみひらたき)

上平滝(かみひらたき)

(上平滝(かみひらたき))

高さ2.0m、幅3.0m

最後の滝です。地形的に見て平坦で上流部にあることから名付けられました。”


落差が少ないので、穏やかな流れの滝です。


滝の最上流部はどうなっているのか興味深かったのですが、以外と開けた芝生となっていて開放感がありました。


ここから先は、来た道をそのまま戻るのではなく、帰路と案内される遊歩道を通って帰ります。

往路と同じ道を通るところもありますが、一部は違っていて往路で見た滝を違う角度から見ることができ、二度楽しめるような箇所もあります。


帰路を下って行くと、往路では見ることができなかった滝がありました。

・盌水滝(わんすいのたき)

盌水滝(わんすいのたき)

(盌水滝(わんすいのたき))

”高さ1.5m、幅3.5m

盌(わん)の中で渦を巻いて流れるように見えることから。”


流れの向きが変わるところなので、渦を巻いているように見えます。


帰路では、往路では見ることができなかった障泥滝(あおりたき)、銚子口滝(ちょうしくちのたき)函滝(はこたき)を正面から見ることができました。

正面から見た函滝

(正面から見た函滝)

時間もだいぶ押してきたので出発点へ急ぎましたが、途中写真を撮りながらじっくり見たので出発してから3時間近くもかかっていました。

でも、これから行ってみようと思う方は心配しなくても大丈夫です。

冒頭に書いたように約1時間で回ってこれるコースです。


宇津江四十八滝のハイキングの感想は、「素晴らしかった!」に尽きます。

一つのコースで13の滝を見ることができたのは、いろいろ滝をみてきたが初めて。

何か得をしたかのような感じもします。


コースを巡って一番好きなスポットは、平滝付近から上流に見える函滝、上段滝が大きく三段の滝のように見えるところです。

緑の木立の中を”くの字”のカーブを描きながら流れるさまがとてもいい感じ。

もちろん、個々の滝もよく梵音滝(きよのきたき)や王滝(おおたき)も印象的です。

非常に長くなりましたが、宇津江四十八滝の紀行文はこれでおしまいです。


■所在地

〒509-4121 岐阜県高山市国府町宇津江3235-86

■駐車場:駐車場あり(無料)

■公衆トイレ:あり

■営業時間

売店 4月から11月中旬
(冬期は、宇津江四十八滝総合案内所駐車場まで通行可)

■料金

清掃協力金 200円(大人)、100円(こども)

■滝の種別・落差、幅

本文の「滝へのみちのり」を参照ください。

宇津江四十八滝へのアクセス方法

<車の場合>

JR高山駅より車で国道41号経由30分 中部縦貫自動車道 高山インターチェンジより、国道41号・県道479号経由で30分

<電車・バスの場合>

JR飛騨国府駅下車、滝のふもとにある「しぶきの湯 遊湯館」が運航する送迎バスを利用して約10分

JR飛騨国府駅下車、国府地域の公共交通のらマイカー、国府宇津江線を利用し「四十八滝口」下車23分

JR高山駅下車、濃飛バスセンターから古川・神岡線を利用し「四十八滝口」下車24分程度

■問い合わせ

宇津江四十八滝総合案内所 TEL0577ー72ー3848

周辺観光

・花の森四十八滝山野草花園

花の森四十八滝山野草花園

宇津江四十八滝と敷地つながりになっている山野草が咲き乱れる公園です。

初夏から夏にかけて次のような野の花や山の花の群生が咲き誇り、素晴らしい花園が広がります。

5月下旬~6月中旬:九輪草クリンソウ)約15万本
6月中旬~7月上旬:笹百合(ササユリ)約1万本
7月上旬~8月上旬:紫陽花(アジサイ)約5千本

宇津江四十八滝を見た時に寄りましたが、九輪草が木立の間の斜面いっぱいに咲いていて圧倒されました。

花が咲く時期に宇津江四十八滝と併せて巡ることをおすすめします。

■営業時間

開花期間中 午前9時から午後4時

■料金

清掃協力金:大人 300円、小人 100円

・四十八滝温泉しぶきの湯遊湯館

宇津江四十八滝のすぐそばにあるのが、四十八滝温泉しぶきの湯遊湯館です。

日帰り温泉ですので、ハイキングでの汗を流すのにぴったりです。

洋風大浴場、和風大浴場、洋風露天風呂、和風露天風呂、岩盤浴などが楽しめます。

泉質:単純温泉(アルカリ性単純温泉)

■営業時間

【4月~10月】    AM10:00~PM9:30、※最終受付PM9:00

【11月~3月】    AM10:00~PM9:00、※最終受付PM8:30

休館日    毎週木曜日、※木曜が祝日の場合は金曜休館


■入浴料金

大人(中学生以上)    620円(入湯税150円込)

子供(小学生のみ)    410円(入湯税免除)

その他(小学生未満)    無料